CMS (Contents Management System) とは
タグやカテゴリーを使って、サイト内の記事・ページを管理できるため、たくさんのコンテンツを扱うサイトを構築するときに用います。また、記事やページの更新には、HTMLやCSSのような専門スキル不要で編集が可能なため、納品後に、担当者が更新する場合にも向いています。
デザイン部分は、テーマ・テンプレートとして管理し、内容(ページ・記事)とは分離しています。サイト全体のデザインを一度に変更できるため、規模の大きいサイト構築の場合にも、デザイン変更をしやすくなっています。ただし、構築やカスタマイズには専門的な技術が必要なことが多いです。
CMSの利用状況
- 世界のWebサイトの7割がCMSを導入
- 世界シェア(オーストラリアの調査会社Q-Success社運営「W3Techs」より
- 国内シェア(株)DataSign「上場企業CMS調査レポート」より
- 近年のCMS選択はより「セキュリティ」重視
※参考:WebDesigning 2023.10月号
CMSの仕組み
テキスト、メディア(画像・動画など)、テンプレートが別々に管理され、テンプレートに従ってページを生成します
1つのテキスト情報でも、テンプレートによって、別のページを作成できます
テンプレートは、更に複数のテンプレートに分割されています。Headerのテンプレートを編集すれば、ほかのテンプレートのHeader部分が全て置き換わります
通常のHTML+CSSで制作されたWebサイトであれば、1ページ1ページに書き込みが必要ですが、CMSで管理されたサイトは、テンプレートを使って、一度に多くのページを編集できる仕組みになっているので、ページ数が多く、規模の大きいサイトの運営に向いています。
CMSの例
既存テーマを使って記事・ページを作る作業自体は、比較的容易です。プラグインによって機能拡張が可能です。テーマのカスタマイズにはPHPのスキルが必要になります。インストールするには、PHPとデータベース(MySQL)が使えるサーバーが必要ですが、Wordpress本体は、オープンソースであり、無料で使うことが可能です。
WordPress.com というサービスもありますが、こちらはWordPressを用いて提供しているブログサービスのことです。無料の場合、広告表示があります。
中規模〜大規模向けCMS。企業が開発・管理しているため、セキュリティ対策の対応しやすい面があります。データベース(MySQL)が使えるサーバーが必要です。テーマのカスタマイズには、HTMLと似ている独自タグを使います。
個人ライセンスは無料(通常ライセンスは有料)です。
テンプレートの仕組み
▼Wordpressの場合(PHP)
<h1 class="post-title">
<?php the_title(); ?>
</h1>
▼MovableTypeの場合(MTML)
<h1 class="entry-title">
<mt:EntryTitle>
</h1>
ハイライトをした部分がテンプレートタグです。CMSのテンプレートファイルには、HTMLに混在する形で専用タグが入力されています。記事のタイトルに相当するテキストが、ハイライト部分のタグと置き換えられます。
※上記の例では、class名も変えていますが、class名自体はCMSに特有のものではありません。Wordpressでは、投稿(post)、MovableTypeでは記事(entry)と呼ぶので、それぞれの名称に合わせています。
CMS使用上の注意点〜安全に使うために
CMSを導入するとブラウザー上からページの更新(ページの書き換え)が可能になります。誰もが書き込みができる状態にならないように、Webサイトの改ざんを防ぐためのセキュリティ対策が重要です。
- IDとパスワードの適切な管理
- 定期的なバックアップ
- アップデートの適用(セキュリティパッチ)
- WAF1(Web Application Firewall)の導入
- 管理画面への認証
- 「Webアプリケーションの脆弱性を悪用した攻撃」からWebサイトを保護するセキュリティ対策。レンタルサーバーのプランに含まれていることもあります。 ↩︎