WordPressを使う上で避けて通れないバックアップの基本について説明します。
バックアップが必要な理由
次のような理由から、Wordpressの運用にはバックアップが不可欠です。
- 編集のミスでサイトが動作しなくなった場合に備える
- 攻撃を受けてサイトが壊れてしまった場合に備える
- サーバー移転の準備をする
WordPressは、データベースと接続して管理するCMSで、HTMLサイトとは仕組みが異なります。一つの編集ミスで動作しなくなる恐れもあります。また、利用者が多いCMSであるゆえ、悪意ある攻撃に合うリスクもあります。
不測の事態に備えて、バックアップをしておくことが重要です。
サイトを他のサーバーに移転するときにも、全データのバックアップデータが必要になります。
バックアップの種類
バックアップには主に次の3種類があります。★が多いほど、重要度の高いバックアップですが、作業が複雑になります。
- ★☆☆:Wordpress 投稿・固定ページのバックアップ(エクスポートデータ)
- ★★☆:Webサーバーのバックアップ
- ★★★:データベースのバックアップ
★☆☆:Wordpress 投稿・固定ページのバックアップ
ダッシュボードから簡単にできるバックアップ方法で、投稿や固定ページをテキストデータ(xml形式)としてエクスポートする方法です。別のWordpressにインポートする(読み込む)ことで、投稿や固定ページを復元できます。
WordPressのカスタマイズ(テーマやプラグイン)などは復元できないので、あくまでテキストデータ部分の保存用です。
ダッシュボード>ツール>エクスポートから行います。
★★☆:Webサーバーのバックアップ
FTPクライアント(FileZillaなど)を使って、Webサーバーにアクセスし、Wordpressのファイル一式をダウンロードします。ほかのサーバーに移転するときは、必須の作業です。ただし、完全に復元するには、データベース(SQLデータ)が必要です。
FTPクライアントの設定に必要な情報については、サーバー会社からの通知や、サーバーの管理画面から確認ができます。
FTPクライアントからサーバーに接続すると次のような画面になります。Wordpressの本体ファイルは「wp-」から始まるフォルダやPHPファイルの集合体です。
.htaccessは「ドットファイル」と呼ばれるもので、コンピュータ上では表示されないファイルのため、バックアップする場合は、注意してください。(テキスト部分のみ保存するなどの方法が必要です)
★★★:データベースのバックアップ
上記で触れた2点も重要なバックアップですが、サイトを完全に復元するには、全てのデータが格納されている「データベース」のデータ(sqlデータ)が必要です。
レンタルサーバーには「phpMyAdmin」など、データベースの操作のためのアプリケーションが用意されていることが多いので、それを利用してバックアップを取ります。
phpMyAdminログイン後は、データベース名を選択し「エクスポート>実行」から、データをダウンロードします。
※データベースの操作を誤ると、サイトが開かなくなりますので、慎重に行ってください。
※なお、サイトを別のサーバー移転するときは、移転先のサーバーに、データベースを読み込むだけでは不十分で、ドメイン(https://xxxx.comなど)の書き換えも必要です。ここでは説明を割愛します。
※サイト移転の作業は専門的なため、サーバーによっては、移転のサポートツールが用意されていることもあります。
バックアップの自動化
より安全に運用するなら、予めバックアップ機能を備えたサーバーを用意することも選択肢の一つです。
サービスによりますが、データベースや、Webサーバー領域を、一定の頻度(1日1回など)で、一定期間(1週間〜1ヶ月など)保管することが可能です。